アダプトだより Vol.13

がんばる高校生に学ぶアダプト

川はその流れの一部に生活している人だけのものではなく、その川の流域に生活しているすべての人々の共有財産であり、協働して守ることが必要だと考える。
今回は、先の合併で9つの自治体がいっしょになってできた旭川上流の真庭市と岡山市の上・下流域に生活する高校生の活動を通して、これからの旭川アダプト・プログラムを考えてみた。

●岡山県立勝山高等学校軟式野球部

勝山高校勝山は、町並み保存地区の白壁の土蔵や高瀬舟の発着場跡、日本の滝百選に選ばれた神庭の滝など旭川とのかかわりが大きい。旭川が流れる町・勝山、そこに学ぶ高校生の多くは、川魚をとったり泳いだりして遊び、暑い夏の日には川辺に行くことを習慣としている
この町の勝山高校は、岡山県が平成13年度から実施しているアダプト事業に生徒会(全校生徒)として参加し、通学道路の定期的な清掃を実施してきた。そうしたなかで、2年前から同校の軟式野球部が毎月、旭川の清掃を始めたのだ。日頃利用している旭川に感謝の気持ちをあらわして清掃しようと、先輩達が始めた活動を後輩たちが続けているのだ。聞けば、「最初は、何故、自分たちだけ川掃除までするのかわからない。照れくささや恥ずかしさがあった。」という。ところが、そんな思いは、通りがかりの人や近所の人が褒めてくれたことで一変したそうだ。地域と学校のかかわりが叫ばれて久しい。勝山の高校生の試みから地域と高校の好ましい姿が垣間見える。高校生はいう、「褒められたことがうれしくて、続けられています。」と。そして、照れや恥ずかしさは、心細さからきているとも感じている。「こうやって仲間と旭川の清掃をしているとすごく心強いのです。だから、清掃する仲間が増えるとうれしいです。もっと仲間を増やそうと声をかけたりして努力もしています。」
高校生の率直な意見は傾聴に値する。周りの大人たちに褒められることが支えとなって、掃除を続けるエネルギーになるという声に旭川アダプト・プログラムは、高校生の参加を促すために、どのように対応すればいいのだろう。

●岡山県立落合高等学校

落合高校落合は、旭川と備中川が合流する地に拓けた盆地が中心部。吉備高原の北端に位置し、地勢的にも第二の現流域と言える。水温む頃の町内の河川公園は憩いの場であり、ここに集う人々の姿に、岡山の遅い春を感じる。また、夏の「旭川いかだ祭り」では地元商工会の青年部を中心に、自分たちでいかだを作って旭川をくだる。この競争にも参加する高校生、この町の夏は、いかだや花火大会など旭川とともにあるといって過言ではない。
落合高校もまた旭川に面してそそり立つ。落合高校では、生徒会が中心になって清掃活動を行っている。これは、「地域社会に目を向け、主体的に行動できる人になろう」という目標のもと、「地域ボランティア活動」として町内清掃に参加しているのだ。「学校の目の前を旭川が流れており、私たちの憩いの場所である川原をきれいにしようと清掃しています。」と話す高校生は、強制から自主的な取り組みとなった清掃に対する内面の変化について語ってくれた。
「大事なのは、自分達の町、自分達の川だと思えるようになることです。頭ではわかっているのですが、自然と行動に移れるようになるにはずいぶん時間がかかりました。」と振返る意見には、高校生になって訳も分からず参加した清掃から後輩にも目配せしながら、率先して清掃を行う上級生の自覚が見える。そして、「不思議なことに、清掃をすることが身についてくると、自然にゴミも捨てなくなるものだと気付きました。」と語る。高校における環境教育の成果だろうか、自発的な清掃を通じた社会参加は大きな自信となって社会に巣立つのかもしれない。
彼らは、「旭川流域の人が集まって一斉に清掃活動をする日があるのなら、ぜひ、自分たちも仲間に入れてほしい。」という。川を機縁に流域が等しく美しくあらねばならないとする旭川アダプトの心強い応援団だ。

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